「熟年夫婦・若返りの旅」顛末

出発前の全員写真 MS氏(コマロ)が発作的に「熟年夫婦・若返りの旅」という一泊旅行を企画した。「そんな怪しいツアー、誰も参加せんやろ」と俺は無視した。 ところがなんと9組18人の参加申し込みがあったんだと。俺たち夫婦は難をまぬがれたというか参加しなかった訳だが、だから平穏無事とはいい難い。 「お見送りしろ」「差し入れしろ」までは想像の範疇であったが、「みんな疲れて帰ってくるので、その日の夕食はハルボン倶楽部で食べることにしたから作っとけ」は想像を絶する厚かましさだ。 6月20日、熟し過ぎた18人は早朝からハイテンションで倉敷に向け出発した。俺は、差し入れのクーラーボックスにさりげなく手紙を張付けておいた。

「熟年夫婦・若返りの旅」ご一行様

よくこんな怪しいツアーに参加されたものだと、その勇気に驚嘆いたしております。不仲説の囁かれるMS氏より心のこもらないお誘いを受けたものの、ハルボン倶楽部にはどうしてもその勇気は無く、今回は失礼させていただきます。どうせ今ごろはMS氏が「日本一カンジのいい幹事です」などとほざいているに違いありません。オー、寒む〜! 「熟年夫婦・若返りの旅」参加の皆さん、ショーモナイ駄洒落攻撃にメゲてはなりません。身の凍るような状況下にありましても、どうか「私はこの旅を楽しむんだ」という強い意思を持ってまっとうしてください。焼き方・MR氏、運転ご苦労さまです。海平バス運転手という輝かしい新称号を得られおめでとうございます。クーラーボックスにはノンアルコールビールも入っております。それにつけても日ごろ「俺は運転手だ」と息巻いている輩は、小型バスもよう運転せんのか。情けない奴め!次回はAS氏(元JR)の運転する電車での旅もいいんじゃないでしょうか。さて、若返りも結構ですが、そのへんの道端でひっくり返らんようにお気を付けください。もし具合が悪くなっても「車内にお医者さんか看護婦さんはいらっしゃいませんか?」などと叫んではいけません。ここぞとばかり喜んで飛んでくるニセ看護婦がいます。白衣もってきてんのちゃうやろな〜。それからこのツアーと特に関係ありませんが、ハルボン倶楽部は倉敷の地ビールが大好きです。ソーセージも美味しかったと記憶しています。土曜日の夜は「スナック・ハルボン」を開いてお待ちしています。旅の疲れを癒しにお越しください。それではよい旅を!ハブ・ア・ナイス・デイ!(英語の先生がおった。スマン)

ハルボン倶楽部

その夜、日本一やかましいナースから電話。「怪しい貿易商が唄ってるわ。聞こえる?ほらほらグランマ・ヨーコが踊りだした。ありゃりゃ、みんなも踊りだした。見える?」
見えるか!だいたい人の宴会の実況中継なんか聞きたないわい。

あくる日は「リフォーム花」の社長から電話。 「いま讃岐うどん食べてんねん。帰り6時過ぎるかなー。用意してる?」 YT夫人からも電話。 「遅くなりそうなもんでー、今日の夕方の散歩もお願いしますー」

この日は結局旅行に参加していた方がはるかに楽であった。 6時前から起き出し、我家の2頭とYT家の3頭の犬の散歩。畑で野菜を取ってきて、俺は20人分の夕食の下準備、女房は喫茶部のケーキ作り、午後は普通に喫茶部をして、又5頭の犬の散歩、料理の仕上げ、庭にテーブルや照明のセッティングと正にてんてこ舞いだった。 そこへ完全ヒートアップした18名が帰ってきた。

このアホメンバーには付いて行けないだろうと心配していたTM夫人(お茶の先生)、AK夫人(明るい農村部師匠夫人)も「本当に楽しかった」と顔を上気させ、嬉しそうに話す顔が印象的であった。

相当疲れているはずだろうに、いつも以上の騒がしい宴会に突入した。旅行中のエピソードには事欠かないメンバーゆえ、次から次へ暴露話が続出、その一つ一つに山を揺るがすようなギャハハハ笑いが起こる。

讃岐うどん店でYT夫人は、哀願して18人分の総額に対して40円負けてもらった。う〜む、無駄な努力としかいいようがない。
鳴門大橋の「渦の道」入場するのに18人では団体割引がないので、MS夫人は近くにいた見知らぬ人を巻き込んで団体割引券を購入した。
貧乏人としての誇りを持った行動には敬服せずにはいられない。う〜む、立派だ。しかし、この団体が別荘分譲地に暮らす人々だとは、誰も思わないだろう。
最後には急遽カメラマンに任命された小作農HS氏が、デジカメをテレビに繋いでスライド上映する。余談だが、彼は某大手家電メーカーのテレビ製作技術指導員として、スペイン・ブラジルなど海外赴任が長いにもかかわらず、デジカメをテレビに繋ぐだけモタモタし、「あれーこのテレビあかんわ」などとほざいておった。 つい最近、無理して買った液晶テレビになんということを言うのだ。夫人は「ホント、他はともかくテレビの事でモタモタしてるなんてシャレにならん」と怒っていた。 我家の狭い居間に20人がひしめくなか、画面が変わるたびに日本一やかましいナースが解説を入れる。酔っ払い達がチャチャを入れる。爆笑、また爆笑。誰かこの集団を諌めるものはいないのか!

それにしても、旅行に参加していない俺がなんで、旅行記を書いているのだ。俺が不思議なのか、この連中が不思議なのか、もう訳分らん!
入梅後ずっと降り続いていたのに、この二日間だけ、ほぼ快晴状態。一人として心がけのいい奴などいないのに、どういうわけだ。
それも、俺が行かなかったせいだと……フン!